阪神、来季Vの条件「近本を打線の“中心”に」〜2019年FA市場・阪神編〜

近本を打線の中心に

昨今「2番最強打者」なんていうブームが巻き起こっているが、そのムーブメントは2番打者に意図的に強打者を置いているわけではなく、伝統的な2番打者が省かれて、1番と3番が繋がったかたちにすぎないと思っている。それは送りバントをしないほうが得点を多く取れるというデータに基づいているわけだが、つなぎ役がいない方が打線が繋がるというのはなんとも皮肉である。
でも、確かに考えてみれば送りバントをしようが、どのみち得点を生むにはヒットが必要になるのだ。つまり、犠打が成功して1アウト2塁になったとしても、続く2人のバッターのうち、どちらかがヒットを打たなければ点はなかなか入らない。一方、ノーアウト1塁でヒットを打つことができ、ランナーが1、3塁になれば犠打やゲッツー崩れでも点が入る。1アウトを相手にあげて得点圏をつくるか、ゲッツーのリスクを冒してより多くの点を狙うか、さしあたり2番最強打者の意味はそんなところではないかと思う。

2番近本の打撃成績(9月)

話を阪神に戻そう。これを踏まえて言いたいことがあるのだ。近本光司を打線の中心に、つまり2番打者に置けば阪神はリーグ優勝を狙える。少なくとも、もっと点の取れる打線になる。
9月、おそらく矢野監督は何かを掴んだと思う。貧打が売りだった阪神の得点力が上がっているのだ。9月の1試合あたりの平均得点はシーズンを通して初めて4点台となった。前半戦の終わり、矢野監督が得点力について尋ねられたとき、彼はこんなことを言っていた。「打てないときに、どう点を取れるか」確かに、9月に得点力が上がったのは完封された試合が2度だけだったことも大きいだろう、まあそのうち1回は中日・大野雄大がノーヒットノーランをやった試合だから、完封負けどころの騒ぎではないわけだが。

さて、上の画像は点が取れない試合(得点が3点以内の試合)で近本光司が2番を打ったときの打撃成績である。実は9月は近本がもっとも2番打者として先発した試合が多い月だった(16試合)。近本は、こういった点の入らない試合でチームメイトが打ちあぐねている一方で、大野雄大のノーノー試合を除くすべての試合でヒットを放っている。さらに、注目なのは、多くの試合で彼が得点に絡んでいるということである。16日の試合なんて全ての得点が近本であるから、もし彼がいなかったら阪神はCSに出場できていなかったのだ。また、打点も得点もあげられなかった6日と12日も近本はちゃんとスコアリング・ポジションに立っている。点が入らなかったのは、はっきり言って大山が悪い、まあ実際、近本が生還できなかったのは大山の責任ではないけど、なんとなく……ね?

さて、近本が2番にいるとき、最大のメリットとはなんだろうか。ひょっとしたら、ここまでちゃんと読んでくれた方なら、なんとなくお気づきかもしれない。そう長打力とゲッツーの少なさである。長打力についてはさっき触れたが、近本は「2番最強打者」の弱点であるゲッツーも少ない。近本の2番でのゲッツーはわずか1回。100打席以上2番を打った選手のなかで、それはリーグでもっとも少ない数字だ。
阪神ファンの皆さんにお願いです。点が入らない試合のとき野次ってばかりいないで、ちょっと注意深く試合を見ていてほしい。近本の後には、結構な確率でチャンスが巡ってくる。

2番近本の最高のかたち

2番近本の最高のかたちは、思えば彼の記念すべきプロ初ヒットの打席だったのかもしれない。
3月29日、開幕戦。6回、ツーアウト・ランナーなしで1番木浪がショートのエラーで出塁する。そして続く2番近本の打席。外角高めの抜けた変化球を強く叩くと、その打球は京セラドームの人工芝を鮮やかに裂いた。2アウトということもあって木浪はゆうゆうとホームイン。近本はプロ初安打を喜ぶというよりかは、肩の荷が下りたようなそんな表情をしていた。問題は、近本がどの塁にいるかということだ。彼は三塁にいた。そう、チャンスは続く。

P.S.
巨人、ソフトバンク、ロッテと補強について書いてきたこのコラムですが、阪神ではどうしても近本選手について書きたかったので、こんな感じになりました。え、補強ですか……。もちろん、強打者が欲しいですよ、そりゃ。

動画…「近本×赤星」インタビュー

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