打って勝つ西武、打たれて負ける燕、ともに打高投低。でも…

西武とヤクルト、共に打高投低。でも、結果は……

9月7日のヤクルト対巨人の一戦を見ていて、不思議に思ったことがある。「どうしてヤクルトは勝てないのだろう、西武は勝ってるのに」私はどちらのチームも贔屓にしていないが、7回に4番手で登板したハフが崩れていくのにつれて単純に、一般論として、そのことが気になっていた。どちらも「打高投低」のチームなのだ。投手力は乏しい、でもそれだけ打つ。

西武・ヤクルト打撃成績
西武・ヤクルト投手成績

この表はチームの9月7日時点の成績であり、カッコ内はリーグの順位を表している。どちらのチームも気持ちいいほどの打高投低であく。確かにそのイメージも浮かびやすく、西武で言えば昨年ブレークした山川穂高や捕手にもかかわらず首位打者を狙う森友哉、もちろん“おかわり君”もいるし秋山や栗山だっている。ヤクルトも山田哲人やバレンティン、青木宣親に高卒2年目で初の30号を打った村上宗隆と挙げればキリがない。
一方で投手はパッとしない。菊池雄星が抜けたあとのエースとして期待されていた多和田真三郎は1軍で登板することの方が珍しいし、十亀や髙橋光成はあいかわらずである。ヤクルトは……やめておこう、でも石川雅規は頑張ってると思うよ、10年くらいずっと。
問題は、同じようなチーム状況なのに、どうして西武は勝てて、ヤクルトは負けるのかということである。西武は連覇を狙える位置にいて、ヤクルトは早くもCSの可能性が消滅した。

9月7日、ゲームが崩れたヤクルト、あと一歩の西武

さっき、私は投手陣がパッとしないと書いたが、実はそれは嘘である。というか、正確に言えば「先発投手」がパッとしないが正しい。QS数で言えばヤクルトはリーグ6位だし、西武は5位、それもパリーグの6位はオープナーを積極的に採用する日本ハムである。
ただ、救援陣を見ると印象はだいぶ変わる。せっかくだから私が目の当たりにした9月7日の試合を比較してみよう。前述のようにヤクルトはリリーフが崩壊した。4回、2番手で登板した(この際、先発のブキャナンが3回しか持たなかったのは触れずにおこう、アクシデントなわけだし)大下佑馬がソロ本塁打で巨人に勝ち越しを許すと、6回は3番手・坂本光士郎が被弾。問題は7回。4番手のハフが三連打を浴び、四球を与えたところで5番手・平井諒がマウンドへ。満塁の場面で3点タイムリーを打たれて、ゲームを崩した。スコアは10−6。6点も取ったのにヤクルトは敗れた。
一方、同じ敗戦でも西武の7日の試合は締まった展開だった。ただ、そこは先発陣が頼りない西武だけあって、先発の髙橋光成は6回を投げて5失点とパッとせず。それでも7回は佐野泰雄が、8回は野田昇吾が0点で抑えた。9回の表、西武の攻撃、3点ビハインド。対戦相手の楽天は当然クローザーの松井裕樹がマウンドに上がった。先頭の山川が内野ゴロに倒れるも、続く木村文紀は四球、そして金子侑司がヒットでチャンスを広げた。ここで代打で登場したのはメヒア。HRで同点の場面だったが、賢くも四球を選ぶ。続くバッターは秋山翔吾。見逃し三振。でも打高の西武は諦めない。源田壮亮がレフト前タイムリーで1点を返す。2アウト満塁。バッターボックスには森友哉。
少しパリーグを詳しく見ていた人間なら森友哉と松井裕樹の同世代対決は否応無くゾクゾクするものではないだろうか。2015年、二人がまだ2年目で19歳だった5月の初対戦は記憶に新しい。彼らは(生意気にも)チームを無視して二人だけの勝負に没頭していた。
それから4年後、私がこのシーンを思い出したのは、森友哉が松井裕樹に対してまったく同じ結果だったからだ。彼はインハイの、それも自分の顔あたりのストレートを空振りした。ゲームセット。

おそらく問題は救援陣

西武とヤクルトの違いとはなにか。私が思うにそれはリリーフ陣の差なのではないだろうか。残念ながらチーム別のリリーフ陣のスタッツは得られなかったが(なんせDELTAの有料会員になるのを渋っているのです)、例えば現在(9月8日)時点の登録選手を見ると、ヤクルトは石山、マクガフ、梅野の3人くらいしか“まともな”救援陣がいない。これでは勝ち試合もろくに継投できないのではないだろうか。一方で西武は抑えの増田をはじめ、平井、小川、ニールといった勝ちパターンがあるし、それに7日のようなビハインドの展開で投げる佐野泰雄や野田昇吾にしても佐野は防御率4.06で野田にいたっては防御率2.50と“豪華”である。先発が崩れても、救援が流れを作り、打線の援護を待つ。これが西武の一つの勝ちパターンなのではないだろうか。

MLB救援防御率とチーム順位の相関
この表はMLBのものだが(MLBは無料でこう言ったことが調べられるのだ!)、リリーフ陣防御率のチーム順位の右隣に地区順位が示してある。見ての通り、リリーフの防御率が高いチームはいい順位にいるのである。MLBに限らず、おそらく日本でも同じことが言えるのではないだろうか。
皮肉なことに2018年のオフ、ヤクルトが秋吉亮を放出した際に、どこかの解説が「秋吉を出せるほど、ヤクルトはリリーフ陣が豊富なんです」と言っていた。たしかに18年のヤクルトはリリーフ陣が豊富だった。そしてチームも2位だった。
どうやらヤクルトは今シーズンで小川監督や宮本ヘッドを解任するらしい。でも、私は監督人事よりもリリーフ陣をどう立て直すか、今年のオフは注目してみたいかな、余力があれば。

コメント

タイトルとURLをコピーしました